真田ピロシキ

劇場版 Gのレコンギスタ II ベルリ撃進の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.4
前作と違ってTV版視聴から間が空いたので違いはよく分からない。最初のデレンセン教官戦やデレンセンの死についてケルベスと話すところは新作画だと思うがどうだったか。

演出的には面白い点が多くて、いきなりデレンセンの時から飛び交う屈折ビームや反射と言ったGレコ十八番のビーム表現が出迎えてくれて、3種類のバックパックを披露しては気前良くお役御免とするロボットアニメの楽しさは小うるさいガンダムオタクの大人ではなく、本来見て欲しかったという子供に向けたサービスなのだと思う。MSエアバッグが忙しく展開する細かい表現や、今回も魅惑のアイーダ姫様髪フワッのようなアニメーションみたいに見てて楽しめる。MS戦もよく動いて変形から投げ技を応酬する格闘戦など多彩。天才クリムが本領を発揮し始めるのは本作終盤で専用ジャハナムに乗り換えてからで、ワンオフのモンテーロよりカスタムとは言え量産機、しかも経験のない宇宙戦闘で戦えるところにクリムの非凡さが演出されている。

話はTV版を見ていても相変わらずハイスピードで移り変わり情報が押し寄せてきて把握が難しい。この映画は5作もあってTV版は26話しかないのだから映画で十分語れそうに思えるが、TV版が詰め込みすぎててファーストのククルスドアンみたいな映画化に当たって削れる話もないので、やはり一見さんには厳しい内容と言わざるを得ない。新訳Zに比べると遥かにマシだが。新しい横文字が出てくると施設名なのか機体名なのか人名なのか即座には判断ができない。しかし富野ガンダムは元々そういうものではあります。富野ファンなら楽しめると思うよ。それにしてもベルリはいつ姫様を好きになったのか2回目でもよー分からん。どうせ次で可哀想な真実を知るのだけど。

前作は映画なのに歌がTVと同じという哀しさがあったが、今作は何とエンディングがドリカム。何故ドリカムなのかは分からんが景気が良く夢がある。予算が増えたのかな。ならこの後に期待できる?気付けば新作の公開が近づいていて富野作品は映画館で見たいので近いうちにⅢも見ます。