Hiroki

生きちゃったのHirokiのレビュー・感想・評価

生きちゃった(2020年製作の映画)
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石井裕也8本目

ダメじゃった。

ひたすら辛くて辛気臭い話が続く。石井裕也の作品に求めているのは、時代や社会に向き合う真面目さと、言葉の鋭利さ、それとユーモアだったんだけれど、今作は純粋に愛の話を描きたかったのかもしれないけれど、ユーモアが欠けている気がして、真面目すぎて息が詰まる。
笑ったのは「大麻やめろ」くらい。

登場人物が終始、辛気臭いテンションで、なんだかなーと思った。茜色に焼かれるにも同様のことは感じたけれど、あの作品は明確にコロナ直後に社会への怒りをぶつけるって言う明確な意思があったからそれでもよかった。今回はそうじゃないしなあ。石井裕也独特のある種、不自然なセリフ回しも、いつもは気にならないのに今回はすごい気になってしまって、俳優さんの演技はよかったのかもしれないけど入ってこなかった。

物語の根幹に関わる言えなかったということの問題にそもそも疑問を持ってしまった。愛してるって言葉で伝えるとか伝えないとかそういう問題なのかな?と思ってしまったよ。あの2人には言葉にするとかしないとかじゃないところに問題があったんじゃないかと思えてしょうがない。

あと、子供の挙動があまりにも不自然で優等生すぎるのは大人の気まずい様子を見て空気を読むようになってしまったということなのだろうか。そうじゃなかったらなぁ。
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