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生きちゃったのbutasuのネタバレレビュー・内容・結末

生きちゃった(2020年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

良くなりそうなのに良くならないまま終わってしまった。勿体無い。

仲野太賀が素晴らしいのだが、物語上全ての説得力を彼の演技に頼っており、さすがに厳しい。若葉竜也も良いのに、彼の良さは活かしきれていない。

大島優子は微妙。正直この女にイラついてしまったのもデカいと思う。浮気しておいて「愛されてなかったから」だと夫を責め、幼い娘がいるのにすぐに浮気相手と暮らし始めて、夫には金をせびるくせに娘に会わせず様子も教えない。金をせびるためにわざわざ電話をかけておいて「無理はしないで」といい顔をしようとするのもムカつく。軽率に連帯保証人にサイン(「あの頃は必死だったから」という意味不明な言い訳)して、借金返済のために娘を母に預けてデリヘルで働く。主人公がこの女を好きだと泣いても、感情移入するのは無理。

しかも女が殺された後、女の母が主人公と娘を会わせようとしないのにもイライラした。どう考えても法的には父親に養育の義務と権利があるし、そもそもがお前の娘の浮気のせいだからな、と言いたい。

語学を学ぶ(やたら暗い部屋の語学教室)主人公たち、慕っていた祖父、引きこもりの兄の凶行、写真を撮りたがる主人公の父親、など、説明不足すぎるエピソードも多い。普通の友達にしては主人公と友人の距離が近すぎるのにも違和感。

一番重要な"本音が言えない主人公"という要素も説明不足で説得力がなく、ただのウジウジ野郎にしか見えなかった。コイツがちゃんと全部言えていれば済んだだけの話なのに、被害者ヅラして大泣きされてもね。ラストは二人して自分たちに酔っているようにしか見えない(ラストシーンをポスターにするのもどうなのか)。ちゃんと娘の幸せを考えて、適切なタイミングで適切なやり方で会いに行けよ。
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