玉生洋一

2012の玉生洋一のネタバレレビュー・内容・結末

2012(2009年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

都市や大地が破壊されていくシーンは圧巻。
4Kでの鑑賞にピッタリの作品。
CGは現実味がなくてハラハラしないといわれがちだが、さすがにこれだけの大破壊になるとスケールが大きすぎて関係なくなる。

ニュートリノ等の説明や
実験施設を冒頭で描くことで
それなりのリアリティを出すことに成功している。
それらが省かれていたら
もっと軽いコメディパニック映画的になっていただろう。

主人公の敵役であるはずのゴードン(主人公の元妻の恋人)が
序盤から愛されキャラとして活躍するのが面白かった。
腕利きパイロットと持ち上げられて
実際にかなり高度な操縦をしてしまう展開が痛快。
普通ならばもっと対立する憎いキャラとして描くだろうに
そうしないのは多様性が尊重されているようで清々しい。
子供の実の父親も、新しい父親もそれぞれで悩みつつも
真剣に子供のことを思い必死に生きているのだ。

それだけに最後まで生き残ってほしかった。
生き残った上で、元妻は主人公との復縁を選ぶというのでもよかったのだが。

自己中だったユーリが最後に息子を渾身の力で船に乗せ、自分は転落死するシーンも胸を打った。
どんなに自己中で悪く見える人でも、すべてが悪できているわけではない。子供に対する愛情は持っている人だったのだということが瞬時に理解でき、それまでの酷い行動とのギャップもあって衝撃も大きかった。

犬や双子が助かって、タマラが溺死してしまったのは、運命の無情さを表しているのか、そんな意図はないのかどちらなのだろう。

2012から8年後の遅い視聴では「本当にこうなるかも」というドキドキ感が味わえないので脳内で2022年に変換して視聴してみた。とにかく災害には備えようと思った。

※2020.10 BSテレ東4K 水曜映画館にて視聴。