キャトラーズ

三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実のキャトラーズのレビュー・感想・評価

3.7
三島由紀夫の本も読んだことなければ
思想についても主張であっても何も知らん、
ただなんとなく〝いつか必ず見ないといけない〟
という名前の、謎の使命感か少しの強迫観念に分類した
自分のフォルダの中に今作が入っていた。

元々の会の成り立ちは
「三島由紀夫vs全共闘」だったが
三島由紀夫は最初から最後まで一貫して
学生たちの論調の穴を詰めることはせず、
あくまでディベート方式での討論を行うことで
学生たちに更なる学びや自覚を呼び起こそうと
していたのではないかと感じる。
芥との会話めちゃくちゃ楽しいそうだったもんな。
芥自身も、珍しく自らと対等ないし
ある程度着いてきてくれる人間とやり合えて
ものすごく興奮してたんだろうけど
芥は前提として
〝三島由紀夫は日本人という枠組みであったり
何かしらの型にハマることを許してしまった
自由な思考を伸ばすのを諦めた敗北者〟である
としているために、それと会話し楽しむ自分は
つまり同じ穴の狢であり、敗北者ないし
自らが自らよりも下だと定める者と
同じ位置に居てしまっていること、
また会話を楽しんでしまっていることに
自覚をするにつれ怒りが湧き
否定するために
さらに怒らねばならなかったのだろうと
当時の心境を考察する。
だから〝飽きた〟と退出したんではないかと。
楽しい討論に割り込む別の学生を
二人で〝邪魔だなコイツ〟って顔して
共闘して対処するシーンは笑ってしまった。

スタッフロールで五十音順で
芥の名前が一番最初にくるのは
中々上手い構成だなと思った。笑
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