チャチャのパパ

パピチャ 未来へのランウェイのチャチャのパパのレビュー・感想・評価

3.9
トレーラーと邦題のサブタイトルからは、明るい話かと思ってたら、凄い重いの。特に中盤、思いもよらない展開に思わず声が出てしまった。

アルジェリアという国は、イスラム教で法律よりも宗教と戒律が優先される。いわゆるイスラム原理主義者が多くいる。その戒律は、女性達にとって非常に厳しく辛いものだ。しかも、舞台になってる90年代は“暗黒の10年”と言われる、特に武装勢力が暴れてる時代。

その国(国なのかあれで)のなかでも、自由に振る舞おうとする彼女たち。

カメラは時にヨリの絵で彼女達の内面まで映そうとするかのように、同じ目線に沿っていく。

テロリストが出てくる映画「ババールの涙」とか「ホテルムンバイ」とか観るたびに「あー、なんで信仰を疑えないんだ?」でも、疑う事すらダメなのが“原理主義者”なんだもんな。

それにアラブ人の男どもは、どいつもこいつもクソ野郎ばかりなんだが、あんなに酷いのか?

最後のシーンにわずがに希望が見えたのが救いになった。