ジョニーJoe

パピチャ 未来へのランウェイのジョニーJoeのレビュー・感想・評価

4.2
‘90年代が舞台でも、まったく “今“ の話だった。
日常の主張の違いが死に直結してしまう空気感;;
いま日本の政府が明らかに怪しい動きをしてたりする中、“自分だったら…“ と怖くなった。単なるデータやニュースではない「物語」から教わることは、やっぱり大きい。

主題である女性への抑圧(というほど生易しいものじゃないが)も、日常の肌感覚で何が起きているか、繊細なカットと共に提示。男性として無意識に気付かされる。時代や文化も含めた擦込みは根深く、「僕は差別せず100%フラットだ」なんて言えない。学びは多い。

途中から大多数がイメージするだろうクライマックスは、実際には単なる “青春映画“ で終わらない。だからこそラストで “現実の希望“ を見た。実際に体験を生き抜いて、こうして作品にして世に出した監督本人がいるという光明(本国での上映中止が、いわば ”本物” の証)。