ジョニーJoe

小説家の映画のジョニーJoeのレビュー・感想・評価

小説家の映画(2022年製作の映画)
4.8
今更ながらホン・サンス作品 初鑑賞。
千載一遇の映画体験。
終わったとき、とにかく顔いっぱいニコニコしてる自分に驚く。
レイヤーに次ぐレイヤー、あからさまでない繊細さ──たった92分間に、これだけのことを、こんなふうに形づくれるって… 喜びの唸り。

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ほとんどの場面が長尺の会話だけで進行していくにもかかわらず、ずっと目を見開いて逃さず聞いて(見て)いたくなる状態が、最後の最後まで切れなかった。
喋ってる様子が ただ映されてるようでいて、驚くほど緻密に意図された絶妙な空気と仕掛けに だんだん気付かされていくという、何とも言えない新経験。

ポスターにも使われてる あの場面 ── ちょっとしたシーンとも言えるけど… マジックすぎる。
どうやったら、あんな場面が作れるのか…。

実は、試写直前に友人から「君は色々出来る能力ありそうなのに、もったいない」と言われたばかりで、そのまんまの台詞が出て来てビックリ。言う側に悪気はなくても、言われる側は…笑😅
監督が自身の経験と主張を投影してるとすれば、なおさら納得。でも、そこに押し付けや悲壮感は、まったくない。
芯を突く細部は、あらゆる人の心と現実の代弁になりうる。

そして、キム・ミニの表情がヤバいです😊

回を重ねて観る度に新しく味わえて、その “個人性” に不思議と観る側も救われる、稀有な作品。

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上映後トーク。
とても正直で、ポイントを深める お二人のお話、素晴らしすぎた。

前述の「もったいない」発言シーンや、個人的に確信を持ってた ラスト近くの表情も含めて、知らない知識や背景を頂きつつ、納得の連続。
他作も観たくなったし、お2人の監督愛・映画愛ダダ漏れで🤭、ホン・サンスに全く詳しくない僕も、聞いてて幸せな気持ちになるトークタイムでした 🙏✨