しゅんまつもと

マリグナント 狂暴な悪夢のしゅんまつもとのレビュー・感想・評価

マリグナント 狂暴な悪夢(2021年製作の映画)
4.1
流石、ホラーの教科書ジェームズ・ワンとつまらない言い方でまとめてしまいたくなる。
照明の点滅、地面を這うスモーク、扉の向こうの何もない漆黒と古典的なホラー映画の要素で楽しませつつ、物語として驚きを用意しておくのはまじですごい。
中と外という基本的な構造が実は物語全体の非常に重要な要素になっている。
外からの侵入者、窓越しに照らす赤いライト、外かと思ったら中だった、の驚き。
そして鍵を閉める、という動作の反復と反転。

なおかつ、邪悪を解き放つのは有害な男性性であるという時代を眼差す視点があるのも良い。
意地悪なことを言うとしたら、鍵をかけるという着地のさせ方とは違った解決も見たかったかもしれない。