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MINAMATAーミナマターのskm818のレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
3.8
水俣病を写真で世界に知らしめたユージン・スミスと妻のアイリーン、そして水俣の人たちのチッソとの戦いを描いた映画。リスペクトのあるいい映画だと思う。ジョニー・デップがジョニー・デップに見えないなんてすごいことだ。日本側の出演者が大物揃いでやや気が散ったが、正門前での攻防などはおそらく当時の映像も使ってるんじゃないかな。迫力がすごかった。水俣闘争は今でも続いてるんだよな。國村隼演じるチッソの社長は最後まで悪役のまま折れない。一方で、酒飲みの自己中だったスミスが水俣の人たちと接する中で変わっていく様も見もの。最初はいい写真を撮るためなら多少の無作法も、って感じだったけどね。人を被写体としてしか見てないというか。でもだんだん傍観者ではなく明確に運動に関わり、皆に頭を下げて家族の写真を撮らせてくれと頼むんや。病院に不法突入しての撮影もやむを得ないことかもしれんが、それだけじゃダメなんだとも思う。そして浅野忠信が演じてた人のように、内心怒りを抱えながら、生活のためなどあって運動に関われない人もいるのだろう。
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