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MINAMATAーミナマターのtangのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
1.0
「実話っぽいフィクション」らしい。

「MINAMATA」と言う映画を全く認知してなかったがprimeオススメから視聴。

水俣病の映画かと思いきや、「MINAMATAと言う写真集を出版したユージンスミスと言う写真家の物語」映画だった。

なので水俣病がどう起こり、今でも問題が残っていることなんてのは描かれてない。
「落ちぶれた写真家ユージンスミスがやる気取り戻して大活躍!」というストーリーであり、水俣病はそれを彩るエッセンスとしてしか使われてない。

どうやって社会問題に切り込んでいくのか、という期待を持って視聴してたので非常にがっかりで、だらけてくる。
最後30分くらいは水俣病についての映画という面が強くなるのだが、それでも捏造エピソードがたくさん盛り込まれているようで事実ではないらしいので興醒め。

・アイリーンと出会ってすぐ熊本に来る訳じゃない。
・病院潜入はなかったらしい。
 (そりゃあんな潜入と分かりやすい追っかけられシーンは現実に有り得ないよね)
・現像小屋の火事は起きてないらしい。
 なので謎の男が謎にネガを所持していて謎に返却するエピソードまでの全て丸ごとフィクション。
・チッソ社長のスミス買収エピソードも史実ではないらしい。
・チッソ工場で暴行を受けたのは事実だが、水俣工場ではなくチッソ千葉工場。さも水俣でやりました的だったがそうじゃない。脊椎は骨折したが手を砕かれたりしてない。

など。

ネット記事からなので何が本当なのかは分からないが、本当ならば映画冒頭で「実話に基づいた」と謡いながらここまでねじ曲げる必要あったのかね。
ジョニーデップは主演だけでなくプロデューサーらしいが、何を伝えたかったのか。

社会派映画と思って視聴する人は気を付けた方が良い。
ジョニデが水俣病とユージンスミスを題材にして作った、単なる娯楽映画なので。
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