ShinMakita

あの頃。のShinMakitaのレビュー・感想・評価

あの頃。(2021年製作の映画)
1.4
バンドのベーシストになる夢も破れ、漫然とフリーター生活を送っていた青年・劔くん。ある日、松浦亜弥のMVを偶然見たのをきっかけにハロプロの沼にハマり、アイドルオタの道を歩むようになる。地元のオタ仲間と「恋愛研究会。」を結成、イベント活動を通じてハロプロの啓蒙活動に勤しむようになるが…


「あの頃。」

以下、ネタバレの墓場プロダクション

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刺さるか刺さらないか、で言えば勿論俺は「刺さらない」の方。アイドルを好きになったり追っかけたりという経験が全くなく、アニメも含めて「いいトシして非リアルの女子を追っかけてバカじゃねーの?」というスタンスでありました。ただ、いいトシを重ねた故に可能になった知的かつロジックなアイドル・アニメ評論を見聞きするうちに、オタクの人々にそこそこのリスペクトは芽生えてきましたよ。そうそう、10年くらい前、歌舞伎町のルノワールでコーヒー飲んでたら、隣から延々とモー娘。の良さを熱弁するおっさんの大声が聞こえてきて呆れちゃったことを思い出しました。そのおっさん、杉作J太郎さんだったんですけどね^_^

さて、映画なんですけど

一番の不満は、オタク要素があまりにも薄い点。イベントで熱くハロプロ愛を語るのは当然として、なんで飲み屋とかタコ部屋とかでオタクトークが展開しないの?もっと俺をおいてけぼりにするようなマニアックな話を聞かせてくれよな、と思っちゃった。ただバカやって銭湯入ってるだけじゃ、単なるダメ人間の集まりにしか見えないんだよ。メンバーの描写が薄いのも引っかかるところで、恋愛研究会の繋がりが弱くなっていくサマが、単に劔が上京したためだけのように見えたんだよな。

コズミン役の仲野太賀が、全てをかっさらってしまう素晴らしい演技。男の情けなさ、不甲斐なさを演じたら日本一の俳優でしょう。
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