majizi

エイブのキッチンストーリーのmajiziのレビュー・感想・評価

3.5
すごくライトに作っているけども、複雑極まりない話。

イスラエル系の母とパレスチナ系の父を持つブルックリンで生まれた12歳の少年エイブ。
ある日、世界各地の味を掛け合わせて「フュージョン料理」を作るブラジル人のシェフ、チコと出会う。
フュージョン料理を自分の複雑な家庭環境と重ね合わせたエイブはオリジナル料理で家族を1つしようと決心する・・・


もうこれだけで、子育ては成功しているも同然かのようなエイブの健気さ!宗教どうでもええやないかと思ってしまいます。
なのに大人たちといえば、言い争うばかり。

父親は結婚するにあたり無宗教となったけれど、それぞれの祖父母もNYに住んでいるため、お祝いの席などで集まれば常に宗教と文化の違いで対立している状態。

生まれた時から勝手に親と同じ宗教を押し付けられるのもどうかと思うけれど、エイブがそれぞれの宗教について学び、体験したいという気持ちを否定してその機会を取り上げてしまうのもなんだかなあと思う。

自分たちこそが正しくて、それ以外は誤り
自分たちこそが正義、それ以外は悪

一神教の教えに関して、全て否定できるほど知らないけれど
行きつくところの考えはこうにしか見えない。
別の一神教もそう思ってるんだし、対立が無くなるわけない・・・

作品内では丸くおさまるストーリーも、エイブが大人になるまでずっとつきまとう問題なんだろうな、と感じました。

ノアくんはとっても可愛いし、お料理はもっとたくさん出てきてくれてもいいぐらい美味しそうでした。

美味しいものは、人を笑顔にするのは真実。
majizi

majizi