あさのひかり

モロッコ、彼女たちの朝のあさのひかりのレビュー・感想・評価

モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)
4.2
セリフも少なく、淡々と描かれてはいるけど、そこに描かれているのは、モロッコという地で女性であるがゆえの制約に苦しめられ、生きづらさを感じてる女性達の魂のぶつかり合い。

最初はサミアの境遇の過酷さに心痛み、でも、そんな中で強く生きる彼女の人としての強さに惹かれ。アブラも最初、見ず知らずなのに助けたサミアに対する警戒心だけじゃない堅さみたいなのが引っ掛かってたら、引きずっていた過去があって。

女性故の苦しみももちろん描かれているけど、裏返せば女性故の生きる喜びの映画でもあって。制約のせいで受け取ることが困難で、だから彼女達は苦しめられてもいて。そういうことを、彼女達の豊かな演技で、ヒリヒリと手に取るように感じさせてくれる作品。もちろん、彼女達のような宗教的な制約はないけど、その深い苦しさと喜びに共感せずにはいられなかった。
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