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モロッコ、彼女たちの朝のfaeriefilmieのネタバレレビュー・内容・結末

モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

子を産む苦しみと子を殺す苦しみは似ているのかもしれない。サミアの腕から解放されたこどもの大きく泣く声は産声のようで、サミアはその時ようやく母親になれたような気がした。曖昧な結末だけど、最後の言葉でサミアがこどもを養子に出さずに自分で育てる道を選んだことがわかる。まあ、そうなるだろうことは観る前から予想はできていたけれど、その決断に至るまでのサミアの悩み苦しみが繊細に描かれていて、胸が詰まる思いがした。「ママ、空を飛びたい」と願うこどもに「まだこどもだから飛べない」「大きくなったら飛べるようになる」と応えた歌のように、この映画は国や海や空を越えてわたしの目の前に映し出されているのだなあと思うと感慨深い気持ちになった。

【追記】
サミアには実在のモデルがいるらしく、その人は出産後にこどもを孤児院へ預けてるらしいので、解釈違いかもしれません…。
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