シネパピ

イントゥ・ザ・ディープ:殺人発明家の深層のシネパピのレビュー・感想・評価

3.0
民間宇宙開発のドキュメンタリーを撮影していたら、偶然、殺人事件の過程を記録していたという、事実は小説よりも奇なりを体現したかのような話。

撮影時にリアルタイムで起きた出来事を時系列を前後させながら編集して見せているので、再現VTRのような雰囲気でちょっと現実味がなくなる不思議な作品になっている。

そして本作の主役とも言える殺人犯のピーター・マドセンから終始漂う胡散臭さと、情緒不安定な危険な様子がなんとも言えない気味の悪さを演出している。劇中のインタビューではサイコパスの事を他人事のように語っているが、実は本人でも気づいていない独白のようにも見えた。
こんな人間でも魅力を感じ、カリスマ性すら感じる人が多いのだから「普通の人間」ってなんなのかわからなくなってくる。

潜水艦内で起きた殺人は計画されたものだったのか、或いは突発的なものだったのか我々は知る由もないが、犯行に及んだ殺人者の前後の様子を記録した映像は後にも先にも無いのでは。
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