このレビューはネタバレを含みます
いろいろと考える題材を提示する大人の道徳映画だと思いました。
私は秋子には全く感情移入できなかったし、周平に同情はすれども全く共感できませんでした。
終始、注意できない不正をじっと見てるような気分で観ていました。
作中、2つの問いかけがあります。
秋子の「あたしの子どもをどう育てようが勝手じゃないのかよ?」
と
周平の「お母さんが好きなんです。それじゃいけませんか?」
という2つ。
子育ての経験のない私には言う権利はないのかもしれないけど
どっちも「ダメでしょ」と思いました。
でもこの2つの問いかけがこの家族のベクトルを示しているなと思いました。
秋子が守りたかったもの。
周平が守りたかったもの。
2つの方向性は全然違ってたし、最後まで秋子の気持ちは周平に少しも重ならなかったように思えます。
お芝居とは言え、小さな子がつらい状況に置かれるのは見てて胸が痛みます。
そんなつらさを観てる者にしっかりと伝わるように表現されていた周平役の2人(幼少期、思春期)の役者さんは見事でしたし、とくに奥平さんは本当にこれが初めての役者経験なの?と思えるぐらい、セリフの語尾までリアリティがありました。