認知症を罹患者本人の視点で描いた話題作。
観て良かったと思える作品でした。
介護する側の視点で認知症を見てこなかった自分にとっては、とても新鮮かつショッキングな96分。
容赦無く入り乱れる時系列やコロコロ変わる登場人物の見た目や言動に観てる側もパニクってしまう。認知症になると日常がこんなにカオスになるとは。
家の中だけで物語が展開するのと尺の短さが救いでした。
ただ症状が軽い日はあれど患者本人の日常から完全に無くなることは無いわけで。下手しい死ぬまでこうなわけで。
そう考えたらやるせない気持ちでいっぱいになりました。
とはいえ思い題材ながら作品自体は野心的な作りなのもあり惹き込まれます。
テンポも良くとても観やすかったので、是非多くの人に観てもらいたい作品。
今作では描かれてませんでしたが、認知症の方が街中を徘徊する時なんか、ご本人の目には何が映ってるのか見てみたいなと思いました。
そういや…
認知症が進むと目が虚になったり反応が鈍くなったりしますが、今作のような日々にが続く事により脳が修復不可能なくらい消耗してしまった結果なのかな。