こやち

ファーザーのこやちのレビュー・感想・評価

ファーザー(2020年製作の映画)
4.5
甘い記憶の中の歌声を懐かしむ、ビゼーの「耳に残るは君の歌声」がそのまま耳について離れない。

ある日、自分の家に見知らぬ男がいる。娘はパリに行くとか行かないとか。今日から来るはずのナースは別人だった。全くどうかしている。みんなおかしいんじゃないか。混沌とした記憶の世界と現実の混乱。それは怖いよね。腕時計の時間だけが実存を確かめられる。

私の父は仕事に行かなくちゃと身支度とトイレに執心した。母は現実を何度も言い聞かせていたけれど、私は父の妄想の世界に適当に付き合っていた。アンがあんなにパパの世話していたのに、パパはルーシーの方がお気に入りだって何度も言うのはつらいなぁ。
こやち

こやち