バムセ

フランクおじさんのバムセのネタバレレビュー・内容・結末

フランクおじさん(2020年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

何気に観たアマプラオリジナル作品。
コミカルに描かれていましたが、
感情が揺さぶらされる良作でした。

1970年代のアメリカ南部の田舎町に住む18歳のベスは、一族で浮いているが、洗練されたニューヨークで大学教授である叔父のフランクを慕っています。フランクの薦めもあり、ニューヨークの大学へ進学したベスは、フランクがゲイである事を知ります。フランクから一家にゲイである事を秘密にと頼まれます。そこに、フランクの父であるベスの祖父が急逝したとの知らせが入り、ベスとフランク、それに強引に帯同するフランクのパートナーであるサウジアラビア出身のウォーリーは、故郷へ向かいます。

冒頭から1970年代の敬虔なキリスト教徒であるアメリカ南部の保守的な父権大家族の暮らしと、そこに馴染めないフランクとベスのニューヨークでの活き活きした生活の対比が見事に描かれていました。
父を失って封印していた美しく、悲しく、忌々しい過去に向き合わざるえなかったフランクが痛々しくて辛かったです。
信仰と時代背景の事情があるとはいえ、
フランクの父の振る舞いこそ、地獄へ落ちる行為だと感じました。

ベスとウォーリーの温かさによって立ち直ったフランク。故郷が少しでも、居心地の良い場所になったと思われるラストも、オープニングとの対比もあり、いい余韻が残りました。

「生き方を決めるのは他人ではなく、自分」って名台詞ですね。
バムセ

バムセ