らっく

キネマの神様のらっくのネタバレレビュー・内容・結末

キネマの神様(2021年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

昭和映画への愛。

舞台となるのは、今でもフィルムをかけている映画館。流れるモノクロ映画。
若き日の大船撮影所と、近くの食堂。

追い続けてきた映画監督という夢を自ら投げ出してしまい、その後もきっとそこから抜け出せず、人生なげてきただろう主人公のゴウ。
そのダメさを憎みたくても憎めない、淑子さんが何年も寄り添ってしまうのは、やはり志村けんで見たかった。沢田研二は、私には立派すぎる。
いたるところに視える志村けんならこう演じるだろうを前提とした演出にひたすら涙。

ある日、孫と脚本のつくり直しに夢中になり、人生が少しだけ動く。
個人的には木戸賞はとらないほうがよかったけれど。
ラストシーン。
スクリーンの中で映画人にもどって、活き活きとしたゴウ。その気持ちを取り戻して逝ったラストはとても良かった。
スクリーンから主人公が飛び出す演出は、今では斬新なわけではないけれど、
北川景子に東京物語の原節子のような美しさを感じた。

緊急事態宣言下、映画館から足が遠のいていたが
この作品、様々な世代の観客でいっぱいでした。
らっく

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