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キネマの神様のsimpsonsのネタバレレビュー・内容・結末

キネマの神様(2021年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

父が良かったと言うので、鑑賞。めっちゃ泣いた。
山田洋次監督やっぱり天才!!(大阪出身なん、知らんかった!)
あの自分勝手でどうしようもない感じが父親がそっくり。
沢田研二さん、知らなかったけれど、不甲斐ない感じがピッタリでした。
「映画があるじゃない!」
夢を抱いて撮影所で働いていた所とか、夢を諦めて自信無くして生きてたけど、78歳で木戸賞受賞して喜んだり、それをテアトル銀幕のオーナーである親友が自身の映画館で上映前に嬉しそうに「この人が取りましたよー!!」って紹介してくれて照れながらも嬉しそうなゴウの表情とか、その凄さの分かる映画ファンたちの祝福とか、「お母さん、勇太がおじいちゃんの才能を信じてくれて嬉しいのよ。認めてくれてありがとう」って泣くシーンとか、受賞式でのスピーチで家族への謝罪や感謝とか、コロナ禍でのその賞金の使い方とか、グサグサきてこんなに泣いた映画久しぶりやし、周りの人達も皆んな泣いてて映画館やのに一体感出てて、正にキネマの神様が降りてきた感じだった。
映画も観客も映画愛に溢れている。
父親と喧嘩して暫く口を聞いていなかったけれど、その間色んな映画を観ているうちに、自分は子供がいないから分からないけれど、親の愛情は多分思っているよりもかなり深いんだと思った。
ただ、この映画のゴウのように、皆んな不器用でちゃんと表現できない。
そういう家族愛に気付かせてくれたのも映画だったし、結局父親と話す話題は映画なので、和解のきっかけも映画だった。
自分にとって映画はやはり人生に必要なもので、多くの人たちがきっと同じように感じていて、だからキネマの神様が宿ると考えたんだろう。

「出水監督、余計なお世話です!」
「行っても後悔するし、行かなくてもきっと後悔するわ」
岩下志麻とか若尾文子とか、昔の女優さんってめちゃくちゃ美しいだけじゃなく言葉遣いも綺麗やし上品で、今の女優さんにはなかなかいないと思う。

そういえば、私が小さい頃と比べて大阪もだいぶ映画館が無くなったなあ。
「映画館は戦時中でも、爆弾が落ちている時を除いて閉めたことがなかった。それが今度はひと月、ふた月休むことになって。映画の歴史が始まって以来の事件」山田洋次
映画館の灯を消してはいけないのだ
キネマの神様は、きっといる

「走るにはどうやら命は長すぎて
悔やむにはどうやら命は短すぎて
諦めるにはどうやら命は長すぎて
分かるにはどうやら命は短すぎる」
RADWIMPS
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