真田ピロシキ

監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影の真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.4
SNSの中でもFacebookを特に害悪と思っている模様。私もFacebookは嫌いなので分かる。ちなみに自分が今やっているSNSはTwitterとInstagram。そこまでヘビーユーザーでもないが、どうしても投稿の際にはいいねを気にしがちで、そんなものまやかしの評価だと理解はしてても止められないのがこのデジタル麻薬の恐ろしさ。精神的に参ってた今年の初め頃にはSNS断ちをしててその効果はあった事を思うとやはりSNSはロクなもんじゃないとしか言えない。だがそのSNS断ちも見る気力もないほど疲弊していたから半ば自然に出来たようなもので元気な時に自発的に出来るかと言うとなかなか難しく、劇中ドラマのキャラのようにSNSの繋がりが深い人だと更に困難だろう。

広告の話もよく分かる。幸い自分の場合はGoogleのアルゴリズムがアホなのかYouTubeのおすすめ動画に見たくもない動画ばかり出してくるのであまり影響を受けていないと思うが、これがもっと賢くて気に入りそうな動画ーとりわけ思想的にーばかり勧められたら誘惑は強まる。世界中で戯言としか思えない話を熱狂的に信じる人が多いのも元々そう思いたい事を何度も見せられたらそうもなる。自分はネットでは極力重大な事は調べない、ネット情報は特に気をつけると心がけるようにしてて、簡単に得られる情報は怪しいものと思いこの先YouTubeがお好みのおすすめを提示してきてもそれはクリックしない選択をしていきたいものだ。

AIによる人類の破滅みたいな事を唱えててそれに結構説得力を感じるが、なんだかんだで今の野放図なSNSに規制が入ると思ってるのでそこまで悲観はしていない。本作もポジティブな展望を示しているのだが、ラスト10分くらいで触れただけでは足りなすぎる。これじゃやっぱり悲観的なのではと感じられた。エンドロールの時に語る対応策も個人的な対策で、脅威に対する弱さがそっくりこの映画の弱さに思えてやや残念。