ツクヨミ

恋するけだもののツクヨミのレビュー・感想・評価

恋するけだもの(2020年製作の映画)
3.9
胸糞とそれに対するスカッとアクション.白石晃士的変質ギャグを合わせたカオスな面白さ。
"田中俊介映画祭"にて鑑賞、"恋のクレイジーロード"を白石晃士がセルフリメイクした作品らしいがリメイク元は知らず。だがポスターの異常なビジュアルと白石晃士ブランドに期待して見に行ってみた。
まずオープニング、砂場の解体場でいやーなパワハラが展開されるシークエンスからスタート。社長と先輩.先輩の彼女.後輩の青年という組み合わせをいかにも日本的ないじめ胸糞で見せるのがかなりキツい。喧嘩的なバイオレンス描写と白石晃士の下ネタ的放尿プレイがまた変な空気を助長する。
そしていつの間にかタイトルバックからの女装おじさんが暴れるシークエンスへ移行、"愛してる!"でも感じたショートコント的な圧いキャラクターを宇野祥平が好演、明らかに異様な現実的恐怖感と女装おじさんのマシンガントークに笑っていいのか怖がるべきなのか困惑し唯一無二な状況を作り出す手腕に痺れた。
またメインとなるバーのシークエンスではパワハラ職場軍団と女装おじさんがついに邂逅、異色すぎる胸糞と笑いが画面いっぱいに広がる。なんなんだこの異様なパワーと圧は、やっぱりすげー異質なパワー持ってるよね白石晃士監督、尊敬するわ笑。笑いとハラハラの展開、最後までどこに連れて行かれるのかわからない流れに身を任せるが如く。
そしてラストは"ハルク"的田中俊介と女装おじさんの対決を主に、胸糞に対する解放スッキリアクションとケダモノとケダモノの愛が場を盛り上げる。明らかに強すぎなキャラクターたちと超人的動きがフツーにかっこよくて前パートとの落差に笑えてしまう。恐怖と笑いと愛という混沌すぎでも最高に楽しい白石晃士エンタメワールドに戦々恐々だ。
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