このレビューはネタバレを含みます
ちょうどいい長さのB級サスペンス。「母を疑う車椅子の娘」という設定はとても斬新で面白い。両足の麻痺だけではなく喘息なんかもあって自由に体を動かせないことで、終始とてもハラハラドキドキ!引き込まれた〜!
以下はネタバレ…
主演のキーラアレンは実際の車椅子ユーザー。屋根の上を這うシーンなんて、ものすごいリアルな緊迫感があった。カメラワークも上手くてサスペンスとしては本当によくできている。
でも、「誘拐されてました」って、そのまんまのオチやんけ…。死亡診断書とか新聞記事とかがあんな簡単に見つかるのは、ミスリードのための伏線と思ってたから残念…。だって、18歳までは疑問なく育てられてきたんだから。
「全て娘の被害妄想でした」というオチを期待してた。
私は常々、「障がいのある子どもを育てる親」の愛情の深さや葛藤、苦悩は想像を超えるものと思っている。「これまで命懸けで育ててきた娘が大学進学で自立することを素直に受け止めきれない」という母と、「過保護な母の束縛からやっと自立心が芽生えた」という娘がラストで仲直りして、立派に自立して巣立っていく感動的なエンディングを想像してたから、なんか物足りなく感じた。
せめて「実母だけど代理ミュンヒハウゼン症候群でした」とかだったら、母親にも少しは感情移入できたんだけどなぁ…。ただのサイコ誘拐犯だからなぁ…。クロエが薬を飲まそうとするシーンで終わるけど、人生のすべてを奪われたのにそんなことで気が済むのかな?と思った。
ラストシーンの婆さんは「塔の上のラプンツェル」のニセ母「ゴーテル」に重なって見えた〜。