Aya

精神0のAyaのレビュー・感想・評価

精神0(2020年製作の映画)
3.3
#twcn

今までの「精神」シリーズとは一線を博したある夫婦のお話。

相田和弘監督の精神シリーズ、なんと0。
前作、前々作には患者さんにフューチャーした作品でしたが、今作は完全に山本先生が主役。

岡山といえば、薬品研究や精神医療では日本でも随一でございます。

山本先生辞めちゃうの?!
もうお歳ですもんね・・・患者さんのお声がなかなか聞こえないほど、耳も遠くなってらっしゃる。
石川先生がちょっとお元気すぎるだけで人は当たり前に歳をとる。

そんな山本先生の引退ストーリー。
先生のことが大好きな患者さんたち。
(先生、紙カルテだよね・・・)

先生の仰るとおり、健康を害して、辛くしんどい思いをしても、頑張って今も生きてる人はみんな偉いよ(T_T)
だって世の中、優しくないんだもん・・・。

山本先生の引退に患者さんがとても不安になられていて、山本先生の慕われ具合が半端ない。

私事ですが、仕事が医療事務でして。
この感染症の大流行で、日々仕事に追われ、仲間は減り、心は挫け、それでも休めない、止まれない環境で、わやくちゃになりながら、悲しい思いや悔しい思いや、憤りながら、お金をいかに正しくどこから頂くか?毎日のように厚労省通達が変わる中、頭がパンクしそうなほど勉強して議論してる毎日です。
(しかも今年の大改訂、大変だったよねみんな・・・慣れた?)

Dr.やNs,看護助手、技師さん、PT、OT、ST、SW、PSW、ヘルパーさん、介護士、病院や薬局、施設やホームなど様々な医療の現場で患者さんの対応に当られている皆様、そのお仕事ぶりを見ていて、もうとてつもなく頭が下がります。
おうちにも帰れず、本当にすごい。

一番感謝しているのは、もちろん普段生活されている皆さんでして。
ここまで、患者数が少ないのは、うがい、手洗い、アルコール消毒、マスクが当たり前のどっぷり日本慣習で感染予防に努めて頂いている皆様のおかげでございます。
その証拠に、今冬インフルエンザの流行がありませんでした。
やればできるジャン・・・やってよ!すぐにノロウィルスの季節だよ!

そんなことを心で思いながら、自身が体調を崩しても「病院で仕事をしている」という理由で検査はおそか診療すら受けられなかったり(でも気持ちもわかる)、医療従事者に対する心ない言葉や態度が横行した時期もあったり、仲間がどんどん少なくなっていったり、結構現場はしんどいです。
今でもしんどいです。

そして普通に怖いです。
窓口で、待合で、診療で、いつ誰から感染するかわからない・・・そしてそのリスクは一般の方に比べて非常に高い。
初期対応という意味ではNs.やDr.よりも感染リスクが高いです。

知らない間に感染し、誰かにうつしてしまうのではないか?
お店や映画館が閉まり、おかげさまで、どこにも行けず、家族や友人に会えない生活が続いております。

今の緊急事態宣言が解かれ、自粛期間がなくなっても、私はすぐに出かけることはできないでしょう。
今年中は友達にも会えないし、大好きな旅行は数年単位で無理でしょう。
正直、先が見えず心が荒んで、人に優しくできなくなっているので、私も先生の診察受けたいよう。

お金に困った患者さんに先生がお金を渡してるシーンなかなかショッキングですねえ・・・。

精神も精神2も患者さんにフューチャーしたものなので、このように山本先生の人生、を見るのはなかなか興味深い。

先生のお家は新しく綺麗なんだけど、棚に物が少ない・・・つまり老い支度で断捨離をしている。
そして逆にテーブルの上は身近に使うもので溢れかえっている・・・片付けられない。
見れば大きく新しいシステムキッチンにも洗う前の食器が溜まっている。

先生も普通の老人だ。
お寿司の出前をとってくれても当たり前のように即席味噌汁をなれた手つきで用意する。

そして古くからの友人のお宅を訪ねたときになん十分もはげまされてるとことか単純に切ないし、すごい慕われてる!!
そちらのお宅は恐ろしいほど綺麗なんですよ!
岡山の市内(北区)の都会らへんはこういったお宅多いのよ・・・岡山の都会人基本綺麗好きのイメージ。
でもプリンターの上に花瓶置くの危ないよ奥様・・・。

今までの人生があるから、こういった人が身近出尽くしてくださるんですよね先生。
話を頷きもせず聞いている奥様がまだ80歳なのにしんどそう・・・お年寄りあるある。

うちの岡山のど田舎に1人で暮らしている祖母も普段はそんなことないけど、友人や親戚などの前では気を張ってシャキッと見せてるもん!

自身のお仕事で苦労されてきた奥様もちゃんとわかってる先生(T_T)
そしてかぶさる精神1の時のお元気なお姿・・・。

テーマは老い。


ラストは先生がご先祖のお墓参りにいかれるシーンです。
先生の息切れがつらい・・・。
こんなお姿を拝見すると山本先生に現役を退かないで、とは言えないよ・・・余生を楽しんで!なんて時間すらなさそうなんだもん(T_T)

お菓子の袋や立派なお花用意してるのに、水入れる容器がうちといっしょやん!
何?!
ポピュラーなの?!
そのキントラ醤油の入れもん?!

やっぱり山本先生が氏と仰ぐ石川信義先生は90歳で全然現役でらっしゃって、、、ちょっとおかしい!!

山本先生。少しでも長く、精神科医でなくなった今を奥様とゆっくり過ごしてください。

この仮設の映画館、自分で劇場を選んで、料金の配分がその劇場に行くらしいのですが、劇場を選んだら、そのシアターの座席からスクリーンを見る、というバックになるのです!!

ううう馴染み親しんでいる京都シネマさんに久しぶりに訪れた気がしました。
しかし、私は前から2列目に座るので、こんなに後ろからの光景は久しぶりです。

仮設の映画館:京都シネマ
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