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警官の血のもものネタバレレビュー・内容・結末

警官の血(2022年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます


警察内部の不正や隠蔽をえがくクライムサスペンス

一人の警察が殺害された。裏で糸をひく人物として挙がったのはエース刑事、パク・ガンユン。
彼の内偵調査をする新人刑事、チェ・ミンジェが目の当たりにしたのは、裏社会に精通しながら違法捜査をくり返すガンユンの姿だった。ガンユンのやり方に戸惑いながらも、ミンジェは警官内部の闇に迫っていく…

韓国の実力派キャストが演じてるため、俳優ファン層が多い印象。ハラハラするサスペンス要素やアクションも盛り込まれながら、物語のテンポが良く、かつ細かい構成が分かりやすかった。原作がながーい小説だから上手くまとめたのだなという感じ。

当たり前だが、演技がバチくそにうまい。
パク演じる俳優さんが柔和な顔立ちをしてるから、後半に風向きがかわって落ち目のときに哀愁をさそう演技が説得力があり見事。
警官内部のホモソーシャルなやりとりが絶妙で、ミンジェがパクに懐柔されていく様子が、心の働きとして理解できる。これ、上手いこと暗部に主人公が飲み込まれるんじゃないか…?と最後までハラハラした。

男社会の雰囲気が、個人的にリアルだと感じた。まぁそうだよね。実際、こういう組織に綺麗事がはいる余地ないよね。といった、登場人物全員立場があって自分の都合で動いてる感じがひしひし伝わる。
現実でやられたら怖いし凹むが、フィクションだからこそ自然に観れるのだろう。

正義も悪もない、組織のなかで生き延びるのであれば強かさも必要というラストシーンはエンタメ的だった。
ああいう裏世界もあるのだと思うと、心が妙にピリつく。これを人はロマンと呼ぶのか、はたまた萌と呼ぶのか…
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