有酸素

ベルリン・アレクサンダープラッツの有酸素のレビュー・感想・評価

3.9
3時間あっという間。現代でも主題の鮮度が落ちてないことには憤りを感じる。
「何を持っているかではなくどう振る舞うかということ」。その言葉は心に刺さり切らずに跳ね返り、むずむずとする。なぜならそんなことは判っているけれど、皆がそうなれるわけではないのだから。

偶然にもこの間鑑賞した新訳2020年版の「嵐が丘」でも主人公のヒースクリフはブラックの男性に置き換えられていたけれど、こうしてホワイト男性である必然性のなさを新しい解釈で提示していく流れは本当に興味深い。超大作が人種や性別でマイノリティの立場に置かれている役者を配することが多様性ではなく多様性を受け入れる下準備に過ぎないと思っているのでいつか打ち止めになるときまで「白人男性のはずなのに」を実験的でいいから塗り替え続けて欲しい。