真田ピロシキ

燃えよデブゴン/TOKYO MISSIONの真田ピロシキのレビュー・感想・評価

3.4
リングフィットアドベンチャーが次でクリアだが今日はどうもやる気が起きず、ルーチンの格ゲーも乗り気でなくてしかし日々の闘争心は絶やさないために借りてたこれを鑑賞。『おじいちゃんはデブゴン』みたいに勝手な邦題をつけられてる訳ではなく正式なリブート作品であるが、オリジナルを小さい頃にTVで見てたかもしれないが覚えていないのでその辺に関しては語れる事が無い。でもこの映画、ドニーさんと言うとシリアスイメージなのに凄くジャッキー映画のコミカルな雰囲気がする。そのノリが面白かったかと言うとちょーっと微妙かも。加えて台詞や映像、演出で引用されるブルース・リーと往年のカンフー映画オマージュが強く、ドニー自身の過去作や『アウトレイジ』なども踏まえてて好事家にはたまらない内容と思われる。

さて本作の監督はドニー映画のアクション監督等で名高い谷垣健治。るろうに剣心シリーズの仕事も漫画ファンに留まらない高評価を得た谷垣さんの特徴があって、「あっ、るろうにだ」と思ったのは高低差を駆使した演出で変化が多くてアクションに飽きさせない。日本人監督なのでトンデモ日本描写もなくて安心と言いたいが、歌舞伎町っぽい街が正しい描写なのかはあそこら辺を見たのが10年以上前なので分からない。築地も一度行ったことがあるだけなので分からない。築地や東京タワーのような名所で戦わせるのは観光旅行的な趣を感じさせて、なるほど外国の方はこういうの見ると面白いんだなと普段私達が洋画でランドマークを見た時の気分を確認させられる。

デブドニーは特殊メイクで表現されているが、エンドロールの映像を見ると非常に動きにくそうにしてて本当に太った方が楽なくらいだったそう。体重が2倍近くになるとさぞ弱体化しそうなものであるが、そこは動きにくいデブメイクでも動けるドニーさん。いつものように機敏に動いてて全然太ったデメリットを感じさせず、逆に120キロもあるので攻撃力が大幅増ししてそうである。彼女もつまようじみたいなヤクザに「デブの方が素敵」と言う訳です。痩せてる事こそ良いという価値観にNOを提示してるとも言えて結構良い映画なのではないか?

日本人の役者は香港側たっての要望で竹中直人が出演してコミカルで小憎たらしい小悪党を好演。退場方法も最高だ。メインの悪役となるつまようじ野郎こと島倉を演じる丞威という人は流石ドニーの相手をさせられるだけあって動きも面構えも良く気になった。『孤狼の血』や『HIGH&LOW』と言った日本の話題になったアクション映画によく出てる人で、剣心Finalにも出てた人なのね。谷垣監督を始め、本作が携わった人達の活動の幅を広げるきっかけになれば良いですね。