土平木艮

GOGO(ゴゴ)94歳の小学生の土平木艮のネタバレレビュー・内容・結末

GOGO(ゴゴ)94歳の小学生(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ…主人公はケニアに住むプリシラ(94歳)。子3人、孫22人、曾孫52人がいて、助産師歴75年の大ベテラン。みんなからゴゴ(おばあちゃん) と呼ばれる人気者→曾孫が学校に通ってないことを問題視。周囲を説得して曾孫6人を小学校に通わせ、自分もお手本になるべく小学校に通うことに→『学校の敷地内に住む友人・ディナとの友情』『校長に働きかけ寄宿舎を作る』『修学旅行先の村の女性達と教育について語る』『卒業試験』『白内障の手術』等々、ゴゴの学生生活を描く。



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完全なドキュメントかと思ってたけど、多少ゴゴや曾孫チェプコエチや他の出演者も演技してる風に見える。
言うならば『ご本人出演のセミ・ドキュメンタリー』的な感じ。

だからと言って本作の価値が下がるワケではない。出来事は全て事実。


ゴゴは年齢的に『隠居』しても何の問題もない年齢。助産師としての実績も有り、その道のみで生きていくだけでも充分に社会に貢献している人。

だけど、助産師だからこそ『妊娠して学問を諦める女性』を多数見てきており、また自分自身の若い頃が『女性が学問を出来ない時代』だったこともあり、教育に対する意識が非常に高い。

そして、曾孫を学校に通わせるだけでなく、『お手本になる為』そして『自分自身も学びたい、と言う夢を叶える為』に、94歳で小学校に入学してしまう。

でも、やはり94歳。目も耳も不自由で、曾孫達に混じって授業を受けるだけでも一苦労。それでも学び続ける姿勢。

ゴゴの『行動力』『賢さ』『教育に対する思いの強さ』に驚くばかり。



たまに先生(子や孫ほども年が違う)に叱られて落ち込んだりするけど、それを慰めてくれる友人も居る。その友人もゴゴを見て学校に通うコトになる。ちょっと良い話。

他地域の女性達と教育について語る場面も印象に残った。


学校が作った寄宿舎には『ゴゴ:プリシラ・ステナイ』と、ゴゴの名前が付けられる。地域の人に愛されているのが分かる、これも良い話。



映画としての『作り』は粗い気もするけど、説教臭くなりすぎない、良い作品。



アフリカの美しい風景は、大きなスクリーンで観た価値があった。


人生において、『もうこんな歳だから…』なんて思うこともあるけれど、『いくつになっても新しいコトに挑む気持ちは忘れちゃだめだな』と思わせてくれる作品。
土平木艮

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