神経症のブルジョアおじさんが、偏執的一目惚れで結婚した女を強く強く愛する中で、もう完全に手のつけられないガチ目のパラノイアになっていく怖い話。
パラノイアに対する解像度が異様に高くて、最高に面白かった!(ラカンが自身の講義に引用したみたい…)
現代のパラノイア映画と比べると、一つ一つの演出は慎ましくて、突飛なところは少ないのだけど、(しかしショットは全編研ぎ澄まされている!)、だからこそ15分に1回くらい立ち現れる、「なんじゃこりゃ!?」的な時空間が際立っていて、それが背筋も凍るほど恐ろしい。怖い。
だけどそれと同じくらい、こんな怖ぇ映画なのに何故か途切れることなく笑ってる、シネフィルの爺ぃちゃん達がなんか怖かった。