はる

ザ・コールのはるのレビュー・感想・評価

ザ・コール(2020年製作の映画)
5.0
ここ最近NETFLIXのランキングでも上位にランクインしていて、Twitterなんかでもかなり評判良さげなので気になっていたんですが、抜群の面白さでした。マジで面白すぎます。
韓国の人気女優パク・シネと『バーニング 劇場版』で一躍その名を知らしめたチョン・ジョンソのダブル主演なんですが、若手であるチョン・ジョンソが完全にパク・シネを食ってしまっています。それほどまでに凄まじい怪演でした。
自分の住んでいる家に過去に住んでいた住人から電話が掛かってくるところから始まるタイムパラドックススリラーで、取っ掛かりのアイデアとしては同じくNETFLIXオリジナル映画のオリオル・パウロ監督『嵐の中で』に似ています。あっちはテレビで過去と繋がり、物語としては感動するラストへ向かって行きましたが、本作は電話で過去と繋がり、どんどん血みどろな方へと展開して行きます。
過去や未来に行けるわけでもなく、ただ過去の人間と電話が繋がるだけという限られたシチュエーションの中で、二転三転し常に想像を超えてくるストーリーがあまりに面白く、今年トップクラスにハラハラする作品であったと言って過言じゃないです。過去の人間と交わした些細な言葉が現在にあまりにも大きな影響を与える幾つかのシーンでは、VFXを使いドラマティックかつ残酷に時間軸の改変を観せてくれますが、ここがホントに素晴らしい。そして何より冒頭でも言ったようにチョン・ジョンソの観る者を圧倒する芝居。その目つき、笑い方、セリフの一つ一つがゾクゾクするほどスリリングで、『バーニング 劇場版』の時とはこれまた全く違う魅力があるんです。
どのシーンも非常に素晴らしいんですが、個人的には後半の冷蔵庫がいっぱいあるあのシーンが笑っちゃうほど最高でシビレましたし、オチも見事だと思います。ネタバレ0、予備知識一切ナシで観る事が出来て良かったです。今後チョン・ジョンソからは目を離せないなと痛感させられた至極の一本でした。
はる

はる