永遠の寂しんぼ

まともじゃないのは君も一緒の永遠の寂しんぼのレビュー・感想・評価

3.9
『無理ヨ!普通に生きるっていうのが簡単そうで一番難しいの!』

このリアリティ求めてましたよ。
ジョゼ虎以来個人的な期待値爆上がり中の清原果耶と今売れっ子の成田凌の好演を堪能できた一本。強烈なメッセージ性とかは無いけど観た後不思議と心が軽くなる。人間嫌いでまともな人間関係と縁遠い僕みたいな奴にはいい薬になる。

主演の2人は今かなり売れっ子だ。成田凌は去年から今年にかけて映画やドラマに引っ張りだこ。そして清原果耶はNHKの朝ドラ『おかえりモネ』の主人公を演じる大注目の女優だ。今作ではこの2人のコミカルな掛け合いを楽しめる。口下手で典型的な理系男な塾教師と頭の中だけでは完璧に恋愛を理論武装してる女子高生の会話がすごくリアルで面白い。清原果耶演じる香住は作中で明言されていないが、数学を勉強しているしどうも理系っぽく見える。お気に入りのシーンは彼女が放課後にカップルの会話に割り込んで、『どうしてお互い好きになったのかを』を突然問いただすところ。その感情がどうして生まれたのかにいちいち理屈を付けないと落ち着かないような感じがなんか理系っぽくて面白かった。

あと、個人的に日本で一番胡散臭い顔だと思っている(超失礼)小泉孝太郎も、ものの見事に超胡散臭い実業家を熱演してて笑える。別に突き抜けた凄みとかメッセージとかがある映画ではないものの、不思議と退屈しない軽やかな雰囲気が良かった。だって僕はまともなんて概念から門前払い喰らったような想いを抱きながら生きてきたから、こういう『普通』っていう曖昧模糊なものを相対化して見ていくような話にシンパシーを感じまくれるので。