ストーリーの序盤では、如何にもそれらしい感じの新たな言語を生み出してしまう才能なんて素晴らしいという軽い気持ちで観ていた。しかし、自分以外の人々が残酷な目に遭う状況は、想像を絶するくらい耐え難いものなのだとジルの言動からひしひしと伝わってきた。
コッホ大尉の人柄の良さとジルへ感じた確かな友情、しかしそれにも勝るジルの生き残ろうという強い意志。二人が友人同士になれる方法なんて存在しないが故に、時代を恨むほかないのだと思うと胸が痛い。
兵士間の人間ドラマもまた見もの。この時代のみならず、妬み嫉みは人を狂わせるのだと思った。
