ShinMakita

砕け散るところを見せてあげるのShinMakitaのレビュー・感想・評価

1.5
受験を控える濱田清澄は、幼い頃からヒーロー願望がある正義感の強い高校3年生。しかし朝が弱く、ある日講堂での全校集会に遅刻してしまった。やむなく1年生の列の最後尾にそっと立っていたが、そこで信じられない光景を目にしてしまう。校長の長いハナシの最中、髪ボサボサで猫背な一人の女子生徒に対し、クラスの男子女子が紙くずを投げつけ、あろうことか上履きまで叩きつけていたのだ。それをみんなで嘲笑っている図…紛れも無いイジメだ。集会後、立ちつくすその女子生徒に声をかけた清澄だが、彼女は奇声を発して走り去ってしまった。後に聞いたところ、彼女の名は蔵本玻璃。学年1の嫌われ者で、毎日机や椅子を蹴飛ばされながら、ただ黙っているらしい。数日後、清澄はトイレに閉じ込められ水責めにあった玻璃を偶然救出することになる。コミュニケーションが取れないヤベェ奴だと思いこんでいた清澄は、彼女の礼を述べるユニークな話し方に拍子抜け。実は明るく可愛らしい瑠璃に接していきながら、清澄は彼女を守り抜こうと決意する。


「砕け散るところを見せてあげる」

以下、ネタバレするところを見せてあげる。


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「正義感の強い男子がイジメに遭う女子を庇ってやり、やがて二人に恋心が芽生えて」

という中二病的寓話が、後半から…

…韓国ノワール化するという歪な映画でした。

…前情報ゼロで臨んだのでちょっと驚いた。


「自分のせいでも他人のせいでもない、UFOのせいだ」というUFO理論が素敵。UFOは運命という言葉に置き換えて、それを変える勇気を持つことを「ヒーローになる」「UFOを撃ち落とす」と表現するのが可愛いかった。LDH映画は、アイドル映画の枠に収まらない攻めた企画が多いので退屈しないね。高校が舞台の恋愛映画って親の影が不在になるのがいつも気になるんだけど、本作は逆で、教師の不在が気になったな。笑えるシーンも多く、尾崎姉妹や田丸くんなど脇も良し。中川大志と石井杏奈、若いキャスティングには疎い俺だが、この2人はとても好きになりました。
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