みかぽん

リトル・ガールのみかぽんのレビュー・感想・評価

リトル・ガール(2020年製作の映画)
3.9
サシャは7歳。
ジェンダーアイデンティティーと肉体に相違がある。
彼女はピンク色のワンピースが大好きで、女の子の友達とお人形遊びがしたい。当然、自分が女の子と言う自覚も物心がついた頃から全く揺らいでいない。

で、私が7歳の頃ってどうだったっけなぁと思い返してみた。
髪型はお約束のワカメちゃんカットではあったが(当時は散髪屋の席に座ると自動的にあの忌まわしい?髪型にされた😩)しかし姉からのお下がりについてはいつも敏感に反応し、そして大いに不満を表明していて、その理由は古いとか新しいに関係なく、趣味じゃないセンスの押し付けが心底嫌だったから。なので珍しく新しい洋服を買って貰えるチャンスが訪れれば、母親からの助言など全く受付ける耳はなく、自分の好きな洋服を真剣に選び倒し、誰が何と言おうと擦り切れるまで着潰した😕。
幼くたってかように個性は確立され、否応なく発揮されるので、その主張の多くは我儘として括られていたけど、そう扱われる事を子どもながらに理不尽と捉えていた。

このドキュメンタリーのサシャは、私の子供時代の不満など比較にならない過酷さだ。自身のアイデンティティーを身内と担当医師以外には全否定されている。公の場(学校)では男の子の洋服を着ることを学校側に強要され、バレエ教室では全員の前で嘲笑れるだけでなく、部屋から押し出されてしまう苛烈さだ。
両眼一杯に溜まる涙を彼女がはらはら流す姿に、私の胸は張り裂けそうだ😭😭😭。
彼女はこの先も、外の世界と向き合う機会が増えるたびに、何度も何度も価値観の押し付けや好奇な視線、排斥に晒されながら成長しなければならないのか。

それにしても、折に触れて多様性が叫ばれる世の中にあって、フランスの教育者ってまだこんなにも前近代的なスタンスのままなの😨?お国の旗の意味合いは、自由・平等・博愛じゃなかったでしたっけ⁇
であれば尚更、すぐにでも教育関係者は束になって人間の多様性について学び、取組むべきだし、このドキュメンタリーは子供たちへの授業にも組み込まれて然るべき!✊✊
みかぽん

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