みかぽん

コヴェナント/約束の救出のみかぽんのレビュー・感想・評価

コヴェナント/約束の救出(2023年製作の映画)
3.8
アメリカは良くも悪くも「借りはきっちり返す」話しが大好きだし、実際に(今も昔も)迷うことなくそう行動する人たちなんだな、と思います。
実際、この物語での駐留理由もそうでしたし、この感動の物語もそこがキモとなっています。

また彼らに比べ、日本人は案外淡白だなぁ、とも思います。水に流すことを潔しとしたり、〝ここはお国の何百里。離れ遠き満洲の…〟で始まる、兵士に歌い継がれたと聞く軍歌の中にも〝俄かに倒れし我が友は、遅れてくれなと目に涙〟。これに対する戦友は〝それじゃあ行くよと別れしを〟となり😨。で後々に、〝永の別れとなったのか〟と沁みじみ回想、、。
イエ置かれた過酷な状況もあっただろうし、一概にどうこうを言う筋合も立場もないのですが、もしこれが兵隊さんたちに歌い継がれていたのであれば、それは他国とは若干異なるメンタリティーでは、とつい立ち止まってしまうと言うか。すみません、それが良いとか悪いとかが言いたいわけじゃないんです。

話を戻します。
結局、アメリカはアフガニスタンから撤退し、残された協力者は裏切り者とするタリバンからの追跡、惨殺から今も逃げ回らなくてはならなく、現実問題として、彼らの中の戦争は依然として継続しているわけです。

その昔、傀儡の南ベトナム政権への支援に乗り出し、泥沼の敗北でサイゴンを明け渡した日、アメリカに向けて飛び立つ最後のヘリコプターにしがみつき、飛び立った機体から無惨にも力尽き、ぽろぽろと地に落ちていく彼ら協力者たちの実映像を思い出すというか、私はそれを本作のエンドロールで流れたテロップに嫌でも重ねていて、何というか、アメリカの罪深さと、せめてもの罪滅ぼし感とがないまぜとなって、、。そんなせいか、無事救出に安堵し彼等の友情を讃える気持ちの感動物語のままでは括れない後味の悪さも噛み締めました😔😔。
みかぽん

みかぽん