みかぽん

ナイアド ~その決意は海を越える~のみかぽんのレビュー・感想・評価

3.9
本作は、アネット・ベニングがすっぴん&むきむきの主人公、ナイアドだ。
当初、こちら全く別の女優さんで、アネットは後で別の役回りで登場?と勝手に想像してました😵😵。

私の中にあったアネット・ベニングは、聡明で上品、可憐な隣家の自慢の奥さん風。
ふた昔前、日本には「お嫁さんにしたい女優No.1」のキャッチフレーズを持つ女優さんがいましたが、彼女はまさにハリウッド版のそれでした。なので当時、絶対に結婚しないモテ男代表、ウォーレン・ベイティが速攻結婚、その相手が共演者の彼女だった時は、彼らに対し「ウォーレンは意志の強い肩パット系女子(当時はバブルが弾ける寸前の頃)が好きっぽかったけど、最後は案外無難に収まっちゃったのね。ま、彼女みたいなお嫁さんならオンナの私だって欲しいわよ🙄」「歳の差デキ婚…プレイボーイ爺の毒牙、恐るべし…」と、若干冷め気味な感想を記憶。

すぐに別れるんだろうな、の予想など要らぬ心配。そして、その後のウォーレンはどちらかと言えばキャリア終焉。一方のアネットは立て続けに子供を生み終えると(4人😵!)、今度は不死鳥の如く現場に返り咲くだけでなく、着実にキャリアを積んでくスタンス。雰囲気的には「スター誕生」のアリーとジャクソン。そんな中で、長女はトランスジェンダーを告白し彼になるも、家族は全力で彼を支援。またアネット自身も今回、セクシャル・マイノリティーの女性を演じ切り、アカデミー賞(主演女優賞)にノミネート。
めっちゃ激動。一人前では収まり切らない人生を乗り越えているアネット・ベニング…😳😳。

上手く言えないけど、当初はおぼこい?イメージが先行する彼女でしたが、結論として、私は彼女のことを舐めていたのかも。実際は丈夫でしなやか、詰将棋のように、着実に一手を打ち、全ての可能性を諦めることなく、信念と堅実さで乗り越えて行くタイプの人だったのね。そして、そんな彼女の本質を見極め、生涯の伴侶に選んだウォーレンは賢い人だったと思う。今回、ナイアドを観終えて振り返る、彼女の中のナイアド。あの主人公を理解して演じられるのはアネットだけだったのかも、としみじみ。
アカデミー賞、彼女に獲って欲しいなぁ。。
みかぽん

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