Nさん

チェチェンへようこそ ーゲイの粛清ーのNさんのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

自分の子供が100%異性愛者であると信じているのが無知過ぎて怖いし滑稽過ぎる。
もうチェチェンやロシアで人間増やすのやめたら?と思った。赤ちゃんが生まれてしまえばそのうちの数%は必ずLGBTの当事者なわけだし。いない国とかあるわけがない。粛清していなくさせるつもりなら、もう最初から国ごと滅びたら?

でも、グリシャのお母さんが「国」から逃げてるのではなく、「あの人たち」から逃げていると言っていた。

アーニャの出国審査は胃が痛くなるほど緊張した。不安や恐怖を顔に出すことさえ許されない。
アーニャは父親に殺されてしまったということなのかな…。音声メッセージは、自分の意思で残したもの??録音させられた?

なんで性的指向が理由で身内に殺されなきゃならないのかが全くよくわからない。一生かけても理解できない蛮行。「一族の恥」とかっていう概念がやばすぎて、そこからよくわからない。それは目の前の人の命よりも大事なことなのか?

逃げることに使ったエネルギー、隠れて過ごさなければならない恐怖、拷問や死に怯えるストレスも本来なら払う必要のないものなのに…。
語学を学ばなければ生きていけないのも地味に結構ストレスになると思う。母国語で暮らせた方がいいに決まってる。やりたいことがあったりして望んで海外生活しに行くわけではないからね。逃げた先でまた努力強いられるのはキツいと思う。もう十分過ぎるくらい頑張ってきたんだから。
何も悪いことをしていないのになぜこんな目に?と思う。
「民族浄化」とか現実世界で耳にする言葉ではない。

こんなとんでもない所と比べたって仕方ないのに、日本は安全でよかったなーなどと思ってしまった。
これは思うだけにしておくべきで、決して口にしていい言葉ではないと自分に釘を刺した。絶対に他人にかけていい言葉ではない。
実際精神的には全く安全ではないし、「さすがに殺されることはない」というだけで、自ら死にたくなるくらい生きづらいのは事実だし…。

脱出活動は、コロナ禍ではどうなってしまったんだろう…。簡単に国外に出れない状況になってしまったから、さらに厳しくなったのかな。

レズビアンの場合は、家で静かに殺されるというのがかなり怖かった。
そもそもが抑圧と蔑視の中で生きてるから、男性よりもさらに困難を極めるんだな。
ひとり旅もできないってオリガさんが言っていて、何時代!?ってなった。
イスラム教圏では一人でお買い物もできないあれと同じなのかな。

LGBTの人を脱出させているこの団体に寄付したい。
もっともっと話題になってほしい映画だ。
Nさん

Nさん