Nさん

ユンヒへのNさんのネタバレレビュー・内容・結末

ユンヒへ(2019年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ユンヒは小樽で暮らさないの!?ってなった。
でも、やっと自分の人生をスタートさせたユンヒの表情は晴れやかだった。
ユンヒはあまり笑わなくて、思い詰めたような寂しい顔をしてたから。
残りの人生は罰だなんて言わないで( ; ; )

ジュンもあまり笑わないし、頑なになってて誰かを入り込ませない感じだった。
20年間もずっと降り積もる雪のような思いをずっと手紙にしてた。
手紙は、出したくても出せなかったんだよね…。
いつ死んでも構わないと思っていたお父さんが亡くなったとき、心細さや寂しさで心が覆われて、昔の大切な人のことがすごくすごく恋しくなって、今の自分のことを伝えたくなって、
「生きていたらそんなこともあるでしょう」って言葉が出てきたのは、本当に素直だと思った。

ジュンは、おばさんと話すとき、少し子供っぽくなる。安心できると本当の自分でいられるのかも。ユンヒといるときもきっとそうだったんだと思う。

猫を動物病院に連れてきた人には、全然安心できてないように見えた。

ユンヒが夢に出てきて何をしているのかという問いに、「ただ一緒にいる」ってジュンが答えたときは、涙が出てしまった。
なんでただ一緒にいることすらも叶わなかったのか…。一緒にいたいと思うことは、そんなに悪いことなのか??( ; ; )

離れ離れになったのは、ジュンの親の都合と、ジュン自身が父親について行くことを選択したからであって、それ自体は仕方ないのかなとは思った。
でも、大人になってからはいくらでも会いに行けるはずで…。会うどころか手紙一通も出すことができなかったのはなぜなの…。
やっぱり二人の関係は後ろめたいものだという思いがあったから…?
ユンヒから別れを告げたみたいだけど、なぜだったのか…。
精神病院の話が発覚したとき、心臓がうっ…ってなった。なんでそんな酷いことができるのか。(精神科を悪いと言ってるわけではなく、同性愛は治療の対象ではないから)
別れを告げたのは、ジュンを巻き込みたくなかったからなのかなあなどと思った。

ユンヒが結婚するとき、ジュンのことを考えていたと聞いて、また泣いてしまった。
ユンヒが男性と結婚したことをジュンは知っていたみたいだし、どんな時系列だったのかはよくわからないけど…。

ユンヒの元夫は、最初ストーカー化してるのかと思って怖かったけど、ユンヒのことを気にかけている優しい人だった。
元夫が再婚すると話したときの二人がとても良かった…。
お互いを嫌っていたから離婚したんじゃなくて、そもそも交わる場所にはいない二人を周りが無理やりくつけたから当たり前に離れただけで、その後もお互いの幸せを願っているんだなと思った。元夫は、ちゃんとユンヒ自身のことを見ていたんだと思う。
ユンヒさんに至っては、自分のせいで元夫が幸せになれなかったと思い込んでしまっていそうだったから、それで救われた気持ちになったのかも。

セボムちゃんは一生懸命でとても可愛い。
ママにも自分の人生生きてほしいって思えるの本当に素敵だと思う。
自分は一人でソウルの大学に行くから、ママはもう子育てのために生きなくていいよと言ったのは、すごく大人びてるなと思った。
そのときのユンヒには、セボムちゃんの真意があまり伝わってなかったみたいだけど。
ユンヒがジュンと再会できたのも、新しい人生スタートさせられたのも、娘ちゃんの存在がすごく大きかったと思う。
娘には「もう学ぶことはないと言うまで学ばせたい」と手紙に書いてあったのはすごくよかった。女性だから高等教育受けさせないなんておかしすぎるから。即知らない男と結婚させられるのもおかしいから。ユンヒが諦めてきたことは、セボムもジュンも一緒になってこれからの人生で取り返してほしいと思った。

ユンヒがジュンの家の前まで行って、結局隠れちゃって会えなかったときは、「ジュンだ…ジュンだ…!」ってなって泣いてしまってて、もうどれだけ会いたかったんだろうと思って一緒に涙を流してしまった。

小樽運河のシーンは尊かった…。
もっとせっかくやっと会えた二人のシーン見たかったな。
Nさん

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