Nさん

21世紀の資本のNさんのネタバレレビュー・内容・結末

21世紀の資本(2017年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

歴史、政治、思想、戦争、労働、購買動機、流行、生活スタイルなどが経済と完全連動している。

「時代遅れの服は着られない」感情は、17〜18世紀?の人々には理解不能というのがおもしろかった。まだ着られるし、いつも同じ服で全く構わないというのがそれまでの普通の価値観だったから。それが大量生産の服で流行を追いかける価値観に塗り替えられたんだ。

リッチとプアーの人生ゲームが印象的。
自分が持っている側に回ったなら、絶対に持たざる側に分けてあげるつもりだけどちょっと自信がない。
実際にリッチ側に立つと優越感に侵されて自分が優れているからだと誤解して、プアー側を見下すようになって、ああいった言動を取ってしまうんだろうな…と思った。

格差の拡大で社会に緊張が走っているのは、今現在身に染みて感じている。
自分にとっても格差の問題は深刻で、今の時代労働者として普通に働いて普通に暮らすことのハードルが高くなったと感じる。親世代より確実に貧しい一生を送ることは、とっくの昔から覚悟せざるを得ないことではあった。

ミドルクラス自体が歴史の浅い階層であることも驚きだった。一番のボリュームゾーンだよね?
これからもミドルクラスがそれなりに豊かに人生送れるようになってほしい。切実に。

人種差別の構造とか今も昔もまるっきり同じじゃん!と思った。「ご近所さんを叩いても豊かにはなれない」というのは、本当にそうだと思う。そこで争ってたら「持ってる側」の思う壺なんだよ。

戦後アメリカの古い映像の中に女性の権利向上団体とレズビアンの合唱団?を見つけた。
「今こそ同性の恋人を!」というスローガン?も見つけた。
ストーンウォールのあたりの時代なのかな?

教科書で習ったことやニュースで聞き齧ったことが大きな流れの一部として繋がって出てくるのはわかりやすかった。

でも理解できなかった箇所も多くて、何度か一時停止して考えたり、戻したり、調べたりしながら見た。
Nさん

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