冒頭のちょっとしたショック演出の巧さに「当たり」を確信。美容整形を舞台にしたのも新機軸。もちろん、病院は山奥、医者や看護師が時折交わす「バルカン語（創作らしい）」など、怪しげな雰囲気づくりにも抜かりなし。
劇伴に軽快なノリをブレンドするセンスの良さ。逃げる連中がことごとく、絶妙なまでにドン臭いのが笑える。ほとんどコント。
整形チ●コ冷やそうとしたら熱湯出てきて火傷して、テキトーに軟膏塗ったが、暗くて読めないからマッチ擦ったら引火して……のシークエンスの呼吸が絶妙。モザイク入るから余計に可笑しい（ボカシじゃなくて、今日び、昭和のビニ本みたいな引っ掻き修正）。
発端が軍や製薬会社の実験じゃなくて、民間のマッド・サイエンティストの仕業だけに、ゾンビに止まらず、妙ちくりんな生き物まで出てきて飽きさせない。
そして、男女を問わず、いまわの際で口にする「乳」への執着セリフに爆笑。そんなに好きか、乳。人生賭けるほど大事なのか、乳。一方で、隠しテーマとして、美容整形やアンチエイジングをゾンビになぞらえている辺りが地味に深い（たまたまか？）。
しっかり笑わせてくれた割には胸クソなラストで気が滅入るが、冴えた画で締めくくるエンディングにセンスを感じる。
とにかく、凡百のゾンビものとは一線を画す完成度。Ａ級のアウトレット、いや、極上のＢ級と言うべきか。エログロ下ネタ入り雑じってる割には、意外と品良く仕上がっている辺り、さすがはベルギー産、血ョコの国。
