空白のフィルさんのネタバレレビュー・内容・結末

ラスト、あの瞬間を見るためだけに見続けて良かったと思える作品。
重く辛く苦しい、どうしようもない感情が初っぱなからずーーーーーっと続くのでメンタルが平気なとき、もしくは思いっきり落ち込みたいときにしか鑑賞できない作品。
でも救いは必ずあるので思いっきり泣きたいときにも観たい。
どうしようもない父親だけれど、亡くなった娘に今さら遅いけれど少しずつ近付こうとする努力。
それを影で支えてくれた後輩の漁師さんがいてくれて良かった。
店長さんはもう、何をしてもこれからはただただ苦しむだけの毎日を覚悟していた中でかけられた些細なひとこと。
助けたい、守りたい、力になりたい、と思っての行動でもそれが押し付けにしかならないときもある。
その距離感を間違えなければ、寺島さんだって悪いだけの人にはならなかったと思う。
……ちょっと私利私欲が行きすぎな面は目に余ったけれど。
あの雲の絵を見た瞬間、言い表せない感情になり、そのままバン！っと幕は突然おろされたけれど全く不快感はなく、ずっと余韻に浸るように涙が止まらなかった。