ニューオーダーのフィルさんのネタバレレビュー・内容・結末

絶望。そのひとことに尽きる。
ラストシーンからのスタッフロールの間、茫然として動けなかった。
「ただ死者のみが戦争の終わりを見たのだ」の格言に鳥肌が立ち、この映画の中で起こった真相は観たものしか知らないところの恐さ。
ディストピアスリラーと銘打っているけれど、事実になってしまいそうな恐ろしさだった。
格差社会は存在するし、大きく振り分けた階級の中にもまた格差が存在するのだと、当たり前のことに気づかされた。
人を顎で使う人間は一度怖い思いをしても時間が経てば同じような言動に出るのだとまざまざと見せつけられた。
親切にしても、感謝の気持ちを表しても、何をしても救われない世界。

キャストの怯えた目や動きが本当にリアルだった。それが余計に『史実』のようなものを観ている気がして動揺を抑えられない作品。