しろみさかな

Swallow/スワロウのしろみさかなのネタバレレビュー・内容・結末

Swallow/スワロウ(2019年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

ずっとずっと見たかった映画。アマプラ先生ありがとうございます。
正直異食症と聞いて、見るのが少し怖かったです。間違いなくグロそうだなぁと。確かに少々グロくはあるのですが、思ってたよりも大丈夫でした。ヴィジュアルが綺麗だったし、飲み込むシーンはカット割があったり上手いことフレームアウトしたりで、なんとか見れました。主人公の女優さんも美しくて、もはや見惚れてしまうほど…。しかしながら当たり前なことですが、飲んだものはどうなるのかなって思っていたのですが、まぁ排出されるのはそうだよね〜って(笑)排出までセットなのですね。
病なので、主観的にはそれがおかしいことだとは分からないものです。自傷行為は本人にとっては逃げ道なのです。どうしてそんなに自分を責めなければいけないのか…自己肯定感を否定され続ける環境に、ずっとずっと胸が苦しくなりました。映画はずっと不安と胸の苦しさでいっぱいいっぱいになったのですが、終盤に家政婦さんや父親との会話で、心救われるシーンがあってとても良かったです。少しホッとしました。
大学で心理学を少し授業で取ったのですが、大体の精神疾患や思春期、子供の心の病は、生まれた時の母子関係、家庭環境によるものと習いました。まさにこの映画はその通りでした。母親を許すことで、自身が解放されるそうです。それって難しいし、周りの人のサポートもいりますよね…。主人公の本当のお父さんとの会話、すごくすごく暖かかったです。お互いの罪を認めて、赦し合う行為。これこそが、解決の道のりなのです。見事に描かれていて、不安だけでなくて良い映画でした。
少し危惧してしまうのが、異物を飲み込むことが少し綺麗な描写だったので、興味が湧いてしまわないかということです。もちろんしっかりトイレで出血したり、手術したりはしていましたが。なので、見てほしいようで、見て欲しくない映画かなぁと思いました。心の準備が出来ている方は是非。
余談、子供の頃ビー玉やお金、色んなものを口に入れたなぁと思い出しました。確かに歯がモノに当たる感覚や、味は特別なものだったなぁと。あと笑っちゃいけないんですけど、主人公がモーテルで土をムシャムシャ食べるシーンはちょっと可愛く見えて笑えました…。
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