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お名前はアドルフ?のogaのネタバレレビュー・内容・結末

お名前はアドルフ?(2018年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

舞台が原作ということですが、まぁ本当そんな感じの会話劇。
寧ろ舞台の方を観てみたかったくらい。

名付け議論を発端にどんどん話が飛躍していき、やめておけばいいのに「前から思ってたけどそもそもお前さぁ…」的に不平不満は溢れ出すわ、衝撃の秘密は暴露されるわ、終いには流血沙汰(嘘は言ってない)にまで発展するわで混沌の極み。
コメディと銘打ってはいますが、描かれているのは人間の怖さと負の部分が殆どです。
でも最後には何だかんだなし崩し的に皆仲直りしちゃってるっていうのは家族(及び家族並みに古い付き合い)だからなのでしょうか。

シュテファンとアンナの言い合いはお互いの認識相違が見事にハマってヒートアップするという
往年の三谷幸喜かアンジャッシュを彷彿とさせる名シーンだった一方で
相手の一つの過ち(ここでは「アドルフと命名したがっている」という点、しかも事実ではない)をタテに人格攻撃にまで発展するという
なんか最近よく世間で見かける構図だなぁと。
相手が何か一点間違いを犯したら何言ってもいいっていう奴、よくいますよね。

ま、アドルフという命名はタチの悪い冗談だった訳なんですが、それに対する議論は中々ハッとさせられるものであり
特に「アドルフという名をヒトラーから取り返す」(意訳)という意見にはなるほどなーと思ってしまいました。
俺の感心を返せ。
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