ベビーパウダー山崎

ピーター・パン&ウェンディのベビーパウダー山崎のレビュー・感想・評価

2.5
デヴィッド・ロウリーの映画って結構のっぺり淡々としている。語られる物語や主題がありきたりだと、その平凡さに独自のエンジンを積んで映画を次のレベルへ走らせることができるような作家ではない。ロウリーはどの映画でも「神話」を描いているのではないかという気はしていて、ピーターパンもそうだが、異世界に迷い込んでしまう冒険談は『グリーン・ナイト』と同じ、この二本はA面B面、表と裏。
まあけど、ロウリー自身は大衆のための娯楽映画も平気でこなせるとか思っていそうだけど、全然撮れてないよ。ナルシストで内向的で、自分のなかで生み出した怪物的な物語を自分で勝手に満足して自己完結させてしまうような表現にしか興味無いでしょ。ロウリーの映画は他者が存在していない。
色々と問題を起こしていなければ、フック船長役はジュード・ロウではなく、ケイシー・アフレックにやらせていたと思う。どれだけ躍動してもガキたちがまったく魅力的に見えてこなくて、エヴァー・アンダーソンは、まともなドラマ路線ではなく、父アンダーソンの良質なB級映画に出まくって鍛えてもらったほうが絶対いい。もしくは日本語は得意なので、オスカーに所属して令和のリサ・ステッグマイヤーを目指そう。