ゆみモン

滑走路のゆみモンのネタバレレビュー・内容・結末

滑走路(2020年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

原作となった歌集を読んでみたい。

いじめ、非正規雇用問題…等などで32歳の若さで自死した(歌集の)作者の抱えていた人生の辛さを描いた映画なのかと思ったら、ちょっと違っていた。

激務に疲弊する25歳の厚労省の官僚・鷹野は、非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストを持ち込まれ追及を受けた。そのリストの中から自分と同じ25歳で自死した青年に関心を抱き、その死の理由を調べ始める。なんとその青年は、中学校時代にいじめられていた自分を助けたために逆にいじめられるようになった学級委員長だった。

中学校時代の彼らが中心に描かれていて、大人になった彼らの人生と交錯し始める。

いじめた側からすれば、とっくに忘れてしまうような出来事かもしれない。しかし、いじめられた側には一生消えない傷になる。
中学生は、大人が思うほど単純でも子どもでもなくて、学校の教師などあてにしていないし、親にも知られたくないと思っている。

学級委員長のその後の人生の転落?を思うと、胸が痛い。
決して歌集の作家の人生そのものではないと思うが…。

切り絵作家となった翠だけに、救いが見られた。