滑走路のネタバレレビュー・内容・結末

「滑走路」に投稿されたネタバレ・内容・結末

「あなたの子だからおろしたの」
産むか産まないかの命の選択を、どちらでもいいなんて答える人とは、一緒に育てられないし、育てたくない。
堕胎をスイッチひとつで済んでしまうようなものだと思っているの?と怒りと悲しみが湧いてきた。

いじめられた側のはなし。
傷つけられる痛みを知っている人は、きっと優しい。
たまには人を傷つけてしまうけれど。

ごめんなさいからありがとうに変わったとき、前に進めた気がした。

最近身近に「希死」ということばを目にしていたから、ちょうどこの映画を観て命の重さがどっしりとのしかかってきた。
幸運にも24歳にして、最近ようやく命とか死とかのリアルな重みが分かってきた気がする。
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クローズアップとルーズのカメラワークとか、診察室の舞台装置な感じとか、
映像もどこか張り詰めた雰囲気でより不安に駆られる仕掛けに。
ストーリーと過去を挟みながら進んでいく構成がすごく好みだった。
いじめって大人の世界にも当たり前にありふれてるけど、当人たちの人生をわりと簡単に壊してしまうっていうこと、どれだけの人がわかってるのかな?
いじめに限らず、言葉も使い方ひとつで簡単に誰かの心を壊してしまうこと、俺も含めいろんな人にいま一度考えて欲しいと思う作品でした。
原作となった歌集を読んでみたい。

いじめ、非正規雇用問題…等などで32歳の若さで自死した(歌集の)作者の抱えていた人生の辛さを描いた映画なのかと思ったら、ちょっと違っていた。

激務に疲弊する25歳の厚労省の官僚・鷹野は、非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストを持ち込まれ追及を受けた。そのリストの中から自分と同じ25歳で自死した青年に関心を抱き、その死の理由を調べ始める。なんとその青年は、中学校時代にいじめられていた自分を助けたために逆にいじめられるようになった学級委員長だった。

中学校時代の彼らが中心に描かれていて、大人になった彼らの人生と交錯し始める。

いじめた側からすれば、とっくに忘れてしまうような出来事かもしれない。しかし、いじめられた側には一生消えない傷になる。
中学生は、大人が思うほど単純でも子どもでもなくて、学校の教師などあてにしていないし、親にも知られたくないと思っている。

学級委員長のその後の人生の転落?を思うと、胸が痛い。
決して歌集の作家の人生そのものではないと思うが…。

切り絵作家となった翠だけに、救いが見られた。
・全体的に台詞も芝居も臭い
・翠が勝手に車から降りて来たところに全てが詰まっている。このシーンのために高校生パートがあったとでも言えるぐらいだ。
いい映画、と私は言えない。

原作者が当事者で、
まさかの被害者で、
まさか加害者側を救うような内容の映画だなんて。
原作は未読なので、実はそんなことは詠んでいないのでしょうか。

いじめのループは恐ろしい。
被害者が加害者となり、新たな被害者を生む。
恐怖に支配され、正常な判断ができなくなる。
でも、一度でも、いじめる側に回ってしまったら、
もう既に誰かにとっての加害者でしかない。

いじめって、犯罪なんです。
子どもだったから、なんて言葉で許されないし、
いじめた側は死ぬまで苦しんで当然なんです。
いじめられた側は、苦しまなくて良いのに苦しむんです。

この映画を観て、いじめダメぜったい、なんて思うのは、
過去を振り返り後悔する大人ばかり。
もう今さら取り戻せないしやり直せないんです。
そもそも、本物の加害者は大人になっても気が付きません。


世代の学生や生徒たちに、何より伝わってほしい。
原作者の気持ち、被害者の気持ち、
そして加害者の幼稚さ、浅はかさ。


この映画で共感できたのは翠ただひとり。
切り刻まれた絵を見つめるシーンで、
大人になって切り絵アーティストとして活動する彼女と結び付いてハッとしました。
美しさや委員長の優しさを感じたのでしょうか。
彼女も無意識か、過去にとらわれたひとりだったんですね。

委員長の死を知って、彼に褒めてもらった水彩画を思い出す。
私の水彩画と、彼の切り絵を重ねて描く。

翠の心の表現がとても素敵でした。

翠以外の人物は皆自分本意で、身勝手で、
観ていて常に不快といっても過言ではないほどでした。
泣くだけ泣いたら 晴れるよ きっと


悪いわねえ もう忘れてって言ってあげられなくて


どんな世の中でも

傷つかずに生きてくなんて無理だよ

傷ついて 翼が折れたとしても

誰かに否定される人生なんてないんじゃないかな



翠が何選んでも 俺は嫌いになったりしないから
気になってはいたけどなかなか手を出せなかったものを思い立って観た。

『きみのため用意されたる滑走路きみは翼を手にすればいい』
初めてこの短歌を知った時、この歌が希望のようにも、自分にはもうその滑走路に手が届かないような絶望のようにも思えた。
映画も同じように、受け取る側によってどちらとも感じ取れる話だったなぁ 。

綺麗事だけじゃなく、ただ前を向くだけじゃない、ずーっと静かな雰囲気でずーっと暗い
自分があまりにもしんどい時に見るにはしんどすぎるかもしれない。

ただ、悲しいことも多いんだけど、心が優しい人も多くて、誰かが辛いときにかけてあげる言葉は、自分が辛いときにかけて欲しかった言葉なんじゃないかなと思った。

あとは時間の経過と、それぞれのストーリーが交差していく描き方がほんとにうまくて、私は好きでした。

「自死」が物語に出てくる時、その人が本当に死んだ理由って誰にも分からなくて、考えても仕方ないと思ってしまうんだけど、残された人が前に進むためにはいくら勝手だろうと考えなきゃいけないんだなとも思った。
みんな別々の苦悩を抱えてるから、どの人目線の話でも気持ちが分かるというか、誰かが悪というわけではなくて。
いじめを止めなかった後悔もあれば、逆にいじめを止めたのがありがた迷惑だったとか、人間ってほんとにままならないなって。

この映画ってオチがついてるものじゃなくて、所謂こちらに考えさせる系の映画なんだと思うんだけど、 困っている人や苦しんでいる人を助ける側の人がいるとして、じゃあ助けた側の人たちを救ってあげられるのは誰なんだろうなぁっていうことはずっと考えてしまった。

あと、いじめの加害者が必要以上に描かれなくて、成敗されることもなく、ただ話に出てこなくなるのが、「いじめた側はいじめたことを忘れる」ということを表してるようで、逆にリアルだったな。

ここからただのメモ
ゆうとが泣きながらしゅんすけを殴るとことか、
しゅんすけのお母さんが「忘れてって言ってあげられなくてごめんね」って言うとことか、どうしようもなく泣けてしまった

人が自死を選ぶとき、それは絶望だったんだろうか
それとも希望のためだったんだろうか
きっと一生わからないんだろうな
ジャニーズの子?と思うくらい綺麗で、演技も上手くて見惚れてしまった。
字幕ありで見たので、人物名も時系列も分かりやすかった。

ラスト、死が決まっているのを忘れるくらい美しくて好き。横道世之介のよう。
良い映画だし色んな人が観るべき映画だと思うんだけど、結局隼介は自死を選ぶんだよなという目で見てしまうと、翠とのお別れのシーンに感じる未来への希望=未来への滑走路って結局閉ざされていたってことなのかという強烈な絶望感に包まれる。
これって「こんな風に未来を感じられる瞬間があっても、いじめによって蝕まれた精神は回復することはないんだよ」っていうメッセージなのか。

"いじめはその時だけじゃなくその後の人生も壊す"って、あまりしっかりと認識されていないと思う。自分もそういう価値観が薄かった。
だからこの映画は色んな人に観られるべきで、軽はずみにいじめに手を染めてはいけないというメッセージは広く伝えられるべきだと感じた。

映像は綺麗で、テーマの残酷さとのコントラストが印象的。
時系列がバラバラの内容が繋がる構成は上手だった。
もっとも良かったのは坂井真紀が鷹野君に語るシーン。

鷹野君が信念を持って官僚になってもどん詰まりなのは、これはどう捉えるべきなのかな。
別に隼介の母親と会って言葉を交わしても職場でのストレスは緩和されないし、あの類いの仕事は負荷軽減なんて簡単なもんじゃないと思う。
日本の官僚のしんどさや閉塞感ってのは作品で描きたかったメインのテーマではないと思うんだが。

○疑問点
・子どもをおろしたと嘘をついたのって離婚する時わからなかったものなのだろうか?
・個展を訪れるくらいの関係は続いているのに子どもを知らないってあり得るのか?
 子どもを産む前提で別れたのかもしれないけど、顔合わせたら子どもの話題に触れるだろう、さすがに。

○その他
・中学生時代の翠役の子の演技が良いなと思って観ていたが、今は活動をしていない様で残念・・・。
・水橋研二は月光の囁きの頃から見た目が変わっていなくて驚く。
・坂井真紀も母親役に違和感のない歳になったか・・・。
・鷹野君、登校拒否もしてあんなに苦しんでたのに官僚にまでなる根性すごい。

詩集はズシンと重そうだが、どこかのタイミングで読んでみたい。
なんかもう...
「イジメ」って言葉やめて欲しいわ。
犯罪だから!
犯罪者がのうのうと生きてるのおかしいって!
加害者が地獄見るお話しバンバン作ればいい。
被害者側の苦しみや繊細さなんて
ヤツらには伝わらんよ。

虐待とかもだけど
ほんとに理不尽さに腹が立つわー。
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