ベルベー

君が世界のはじまりのベルベーのレビュー・感想・評価

君が世界のはじまり(2020年製作の映画)
3.8
「とらドラ」好きな人は好きなのでは?青春群像劇って映画もアニメもありすぎるほどあるんだけど、本作は過去の色々な作品の影響を感じさせつつオリジナリティもしっかりあると感じた。

不穏なオープニングや中盤の展開で思い出したのは「明日、君がいない」。誰が自殺したのかという謎を提示しつつ、登場人物誰もに苦しみがあることを描いていた。本作の場合、親殺しがそれにあたるんだけど。大筋に対して浮いた展開ではと思ったけど、早々に殺人が登場人物に直接は関わってないことが分かるので納得した。自分事ではないけど他人事ではない、そんな苦しみや葛藤を抱えた若者たちのドラマ。

浮いたと言えば、琴子のキャラクターはとても浮いていて、ラノベのヒロインみたいだなあと思うんだけど笑、その浮いた感じこそ青春時代にしか許されない煌きなのかなって。演じている中田青渚の素晴らしさもある。

個人的に不満なのは、令和にもなってまだブルーハーツかよという(好きな人ごめんなさい!)。その影響力については重々承知だけど、今の若者がブルーハーツなのか?メインストリームに馴染めない子たちの捌け口としても違和感がある。かといってシロップとかバックホーンで意気投合する高校生も想像できないけどさ…。「志乃ちゃん」がミッシェルを採用したの絶妙だったなって。
ベルベー

ベルベー